1. |
現在、ホーチミンにおいては「いかさま賭博」による被害が連続して発生しています。2011年の4月1日から6月17日までの間に15件の被害が総領事館に報告されており、観光シーズンを向かえ、引き続き被害が拡大することが予想されます。 |
2. |
「いかさま賭博」の一般的な手口は次のようなものです。
- 観光地を散策中、シンガポール、フィリピン又はマレーシアあるいはタイ出身(出身地はこれに限らない場合もあります。)と称する人物1名あるいは複数名の男女から日本語又は英語で話しかけられ、親しくなったところで(飲食店での食事の提供や観光名所の案内を受けることが多い。)、「実は自分の娘(姉妹兄弟等のバリエーションもあるようです)が近々日本に行くので、自分の家に来て日本のことを教えてほしい。」等様々な誘いを受け、これに応じるとタクシー等で知らない場所に連れて行かれる。
- ホテルの一室や、自分の家または別荘と称する家などに到着すると、娘等が帰宅するまでの間として、「ギャンブルに勝つ方法を教えてあげる。」などと言われ、カード(トランプ)賭博の方法を教えられる。 (ゲームは様々ですが、多くの場合、事前に複数名が手を組んで示し合わせ、あとから来た1名をだますといった内容です。)
- その後、突然別の客(身内や金持ち等)が現れて実際にゲームが始まるが、最初のうちは勝てるものの、途中から勝てなくなるといった状況や、手を組んでいたはずの人物が賭け金を多額にしてしまい、自分の見せ金(所持金)が不足してしまう状況などが生じ、ゲームが停滞することになる。
- 手を組んでいた人物から、「賭け金さえ作れば絶対に勝つから心配無用だ。」などとそそのかされて別の場所に連れ出され、クレジットカードで多額のキャッシングをさせられたり、宝石店等に連れて行かれて金(ゴールド)又は大量の携帯電話機等を購入させられたりして、最終的にはその購入品は手を組んでいた人物に全て取り上げられてしまう(犯人らは、金品の供出等を強制すると同時に領収書なども取り上げてしまう。)。
- その上で、再度前述のホテルあるいは家に連れ込まれたあと、手を組んでいた人物から、「信用してもらうために、すべての賭け金をあなたに預けるので、後日続きの勝負をしよう。」と持ちかけられ、現金の入った施錠された状態のバッグ又はアタッシュケース(実際には偽札や菓子類、石鹸等しか入っていないもの)を渡された後、待ち合わせの場所と日時を指定されて解放されるが、後日、指定の場所に赴いても誰もおらず、連絡は一切とれなくなってしまう。(連絡用と称して携帯電話を渡されるケースもあります。)
|
3. |
つきましては、このような「いかさま賭博」の被害に遭わないよう、以下の事項に留意し注意してください。
- どんなに親切そうに見えたり、親しげに誘われたりしても、見知らぬ人物の言葉を安易に信用せず、また安易について行かない。(特に、タクシーで一緒に移動したり、安易に見知らぬ者の家について行ったりすることは絶対に避けましょう。多くの場合、当初から節度ある毅然とした態度を示すことで事件を未然に防ぐことができます。)。
- 万一、賭博の話を持ちかけられたら、ベトナムでの賭博については、公認された場所、かつ、外国人である証明書を所持している場合を除き、犯罪であることに留意し、きっぱりと断り、直ちにその場から立ち去る。
- できる限り必要最小限の現金のみを持ち歩き、クレジットカード等貴重品類は安全な場所に保管しておく。
|