海外安全対策情報

      (平成26年度第2四半期(平成26年7月~9月))

 

 

平成26年10月28日
在ホーチミン日本国総領事館

 

 

1 社会・治安情勢
公安当局によれば,現在のところ,イスラム過激派や反政府組織等によるテロ情勢等はなく,また5月中旬に発生した反中デモ以降,ホーチミン市内及び周辺省・都市においてはデモ等の発生は確認されておらず,当地の治安情勢に特段大きな問題はない。
しかし,今後の国際情勢如何によっては,同様のデモが発生する可能性は否定できないことから,今後も注意を要する。
また,ホーチミン市内において,麻薬中毒者によるひったくりや強盗などの一般犯罪が増加傾向にある。邦人被害についても,9月に入り,旅行者が多い市内中心部を中心に,盗難被害等が発生していることから,注意が必要である。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)以下の統計はホーチミン市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」2014年9月号から抜粋したもの。強盗被害は減少傾向にあるものの,窃盗被害は増加傾向にあり,総発生件数は増加しているとのことである。
【刑法犯関係】(平成25年11月16日~平成26年8月15日実績)
ア 刑法犯発生件数:4668件(昨年同期比+0.2%)
イ 刑法犯検挙件数:3009件(検挙率64.5%)
【麻薬犯罪等】(平成25年11月16日~平成26年8月15日実績)
ア 麻薬犯罪検挙件数:1235件(昨年同期比+2.2%)
イ 麻薬犯罪検挙人員:2600人
ウ 売春宿摘発数:48件
エ 売春斡旋等検挙人員:268人
オ 賭博犯罪検挙件数:582件
カ 賭博犯罪検挙人員:3048人

(2)邦人被害事案
ア 7月初旬の平日夜間,ホーチミン市第7区にあるロッテマート周辺をバイクで走行中,2台のバイクに左右を挟まれ,ショルダーバッグをひったくられた。
ショルダーバッグの紐が切れたことから,転倒せずに済んだ。
イ 7月下旬の休日昼間,ホーチミン市第3区を徒歩で通行中,たすき掛けをしていたポシェットを後方から来たバイク1台(男1名)に追い抜きざまにひったくられた。
犯人は,ポシェットの紐が切れなかったことから,何も取らずに逃走したが,被害者は転倒し,そのまま数メートル引きずられ,打撲や擦過傷を負った。
ポシェットをたすき掛けしていたが,上からカーディガンを羽織っており,後ろから見ただけではポシェットは見えなかったことから,犯人は近辺で待ち伏せし,様子をうかがっていたものと思われる。
ウ 8月初旬の昼間,ベンタン市場近くから動物園に行くためタクシーに乗車したが,VINASUNによく似せたタクシーであった。目的地到着時にメーターが「3928」と表示されていたことから50万ドンを手渡したが,運転手から392万ドンを請求された。そんなにも払えない旨を伝えると,幾ら払えるのかと聞かれ,さらに50万ドンを支払い合計100万ドン支払うことになった。
エ 8月中旬の平日早朝,ホーチミン市第3区グエン・ディン・チュウ所在の社宅の前でタクシーを降車し,シャッターが閉まっていたことから呼び鈴を鳴らすため,荷物を背後に置いていたところ,バイクに乗った二人組の男に貴重品の入ったバッグをひったくられた。

 

(3)邦人以外の被害事案
ア 7月中旬の平日午後,ホーチミン市第7区内の自宅アパートにおいて,韓国人男性が刺殺され,被害者宅は物色されるという強盗殺人事件が発生している。
イ 8月初旬平日昼間,ホーチミン市第1区のサイゴン動物園周辺において,ベトナム人のタクシー運転手(VINASUN)とバイクタクシー運転手が口論の末,乱闘になり,タクシー運転手がバイクタクシー運転手を鉄棒で殴り,死亡させる事件が発生している。
ウ 9月初旬休日深夜,ホーチミン市クチ区において,バイクで走行中のベトナム人女性に,4人組のバイク2台が接近,刃物を突きつけ人気のない場所まで連れて行き,女性を強姦し金銭を強取するという,強盗強姦事件が発生している。

 

3 テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は認知していない。

 

4 誘拐・脅迫事件発生状況
ア 8月中旬の平日,アンザン省において,サッカー賭博の借金返済のため,身代金目的誘拐を企て,知り合いの男性を呼び出し車内に監禁したが,通報を受けた公安によって逮捕されている。
イ 8月中旬の平日午後,ホーチミン市ビンタン区において,サッカー賭博の借金返済のため,身代金目的誘拐を企て,スタンガンを使用し女性(29歳)をホテルに監禁し,女性家族に身代金を要求したが,引き渡し場所において公安によって逮捕されている。

 

5 日本企業の安全に係わる諸問題
9月中旬,ビンズオン省VSIP1において,日系企業が全焼する火災が発生した。
その他,日本企業に対するストライキ等の問題については把握されていない。