海外安全対策情報

      (平成27年度第1四半期(平成27年4月~7月))

 

 

平成27年7月9日
在ホーチミン日本国総領事館

1 社会・治安情勢
  公安当局によれば,現在のところ,テロやデモ情勢等はなく,当地の全般的な治安情勢については安定している。しかし,昨年5月には,大規模な反中デモが起こり,一部暴徒化したデモ隊が中国や台湾系企業を中心に襲撃する事案が発生し,韓国系や日系企業等にも被害が及んだ。最近の南シナ海における中国の活動に関し,当地における反中感情が再燃し,デモが発生する可能性は否定できない。デモに遭遇した場合には,速やかにその場から離れ,無用のトラブルに巻き込まれないよう注意を要する。 
   
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)以下の統計はホーチミン市統計局ホームページから抜粋したもの。ホーチミン市公安によると,上半期の刑法犯は前年同期比3.4%減少した旨報告されている。
【刑法犯関係】(平成26年11月16日~平成27年5月15日実績)
 ア 刑法犯発生件数:2870件(前年同期比-3.4%)
   内死者56人,負傷者368人
 イ 刑法犯検挙件数:1877件
 ウ 刑法犯検挙人員:753人
【麻薬犯罪等】(平成26年11月16日~平成27年5月10日実績)
 ア 麻薬犯罪検挙件数:831件
 イ 麻薬犯罪検挙人員:1660人
 ウ 売春組織摘発件数:20件
 エ 売春斡旋等検挙人員:88人


(2)邦人被害事案
ア 4月中旬の平日夜間,ベンタン市場周辺で中年女性に日本語で声を掛けられ,若い女性によるマッサージが40万ドンと聞き,中年女性に言われるがままタクシーに乗車した。2件目のホテルで待機していた女性が気に入り,そのままホテルの一室に入り,女性に促されシャワーを浴びていると,突然,見知らぬ男5人ほどが室内に入って来て羽交い締めにされ,現金,携帯電話等を強取された。
イ 4月下旬の平日夜間,ホーチミン市フーニャン区グエン・ディン・チン通りのオープンカフェで食事中,男2名に後方から突き飛ばされ椅子から落ちた隙に,パスポートや財布入りのカバンをひったくられた。
ウ 5月初旬の休日昼間,AEONで買い物中,いつの間にか布製のバッグを刃物で切られ,中に入れていた携帯電話を抜き取られた。
エ 5月中旬の平日昼間,1区レ・ロイ通りとグエン・フエ通りの交差点付近において,タイ人を名乗る女性から声を掛けられ,日本語を勉強している姪と話をしてやって欲しいと頼まれた。姪がいるという家までタクシーで案内され,姪とその父親から歓待され食事を取った後,父親からカードゲーム(ブラックジャック)のいかさまのやり方を教えられ,これから来る金持ちのブルネイ人からお金を巻き上げようと誘われた。初めは勝っていたものの,中盤から負け始め所持金がなくなるとATMまで連れて行かれ,限度額までキャッシングさせられた。更に金製品を買わされそうになったが,限度額に達していたので購入できなかった。
最後の勝負で持ち金全部を賭けさせられた後,全員のカードを回収され封筒に入れられた。この金額では足りないので日本に帰った後300万円を振り込めば賭けは成立するので,送金が確認できれば封筒を開けた後,結果を教えるといわれ,更に携帯電話を渡され,GPSで居場所がわかるので警察には届けるなと脅された後,解放された。


(3)邦人以外の被害事案
ア 4月中旬,シンガポール人男性旅行者が,バイクに乗った男女にカバンを窃取されたが公安により逮捕された。犯人達は,これまでホーチミン市中心部において昼夜を問わず,外国人観光客を狙ったひったくりを繰り返していたと供述した。
イ 5月下旬,イギリス人女性旅行客がレ・ライ通りを散策中,バイクに乗車した女性2名が接近しカバンをひったくった。その際,被害者がカバンを離さなかったことから転倒し,バイクに引きずられ負傷した。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は認知していない。

 

4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人の誘拐事件の発生は認知していない。

 

5 日本企業の安全に係わる諸問題
日本企業に対する事件やストライキ等の問題については把握されていない。