海外安全対策情報

      (平成27年度第2四半期(平成27年7月~9月))

 

 

平成27年10月15日
在ホーチミン日本国総領事館

1 社会・治安情勢
  公安当局によれば,現在のところ,イスラム過激派や反政府組織等によるテロ情勢等はなく,また昨年5月中旬に発生した反中デモ以降,ホーチミン市内及び周辺省・都市においてはデモ等の発生は確認されておらず,当地の治安情勢に特段大きな問題はない。
  しかし,今後の国際情勢如何によっては,同様のデモが発生する可能性は否定できないことから,デモに遭遇した場合には,速やかにその場から離れ,無用のトラブルに巻き込まれないよう注意を要する。
   
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)以下の統計はホーチミン市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」2015年9月から抜粋したもの。刑法犯は減少傾向にあるものの,麻薬犯罪は増加傾向にある。
【刑法犯関係】(平成26年11月16日~平成27年8月15日実績)
 ア 刑法犯発生件数:4374件(昨年同期比-5.7%)
 イ 刑法犯検挙件数:2772件(検挙率63.4%)
【麻薬犯罪等】(平成26年11月16日~平成27年8月15日実績)
 ア 麻薬犯罪検挙件数:1335件(昨年同期比+100件)
 イ 麻薬犯罪検挙人員:2694人
 ウ 売春宿摘発数:22件
 エ 売春斡旋等検挙人員:96人
 オ 賭博犯罪検挙件数:244件
 カ 賭博犯罪検挙人員:1550人
 
(2)邦人被害事案
ア 7月中旬の休日昼間,ホーチミン市第3区においてスマートフォンで地図を確認していたところ,後方から来たバイク1台(男1名)に追い抜きざまにひったくられた。
イ 8月初旬の夜中,ホーチミン市内のバックパッカー街を歩いていたところ,30~40歳位の女性から「マッサージはどう。」と声を掛けられた。無視をして歩いていたが,身体を触ってくるなどしつこくつきまとって来るので怪しいと思い,ズボンの後ろポケットに入れていた財布を確認すると無くなっていた。女性が走って逃げたので追いかけたが逃げられた。
ウ 8月初旬の夜中,レタントン通りの居酒屋前において,店員に携帯電話を渡し記念撮影を依頼したところ,店員との間に二人乗りのバイクが割り込んできて,店員の手から携帯電話をひったくり,そのまま走り去った。
エ 8月下旬の平日昼間,ドンコイ通りを徒歩で通行中,二人乗りのバイクにたすき掛けをしていたバッグをひったくられ,その際に転倒して擦り傷を負った。
オ 9月中旬の休日の夜,ベンタン市場からホテルに戻るためタクシーに乗車したが,ホテルとは反対車線に停められ,新聞紙に40ドルと書かれて料金を請求された。米ドルを持っていなかったことから日本円で支払おうと財布を出したところ,急に財布をつかまれたので,慌てて大声を出しながら財布を取り返したが,運転手が無言でドアを開けたため降車し,ホテルに戻った。ホテルにおいて財布の中身を確認したところ,19万円が盗まれていた。

 

(3)邦人以外の被害事案
ア 7月下旬,ホーチミン市1区カラベルホテルにおいて,宿泊していた韓国人男性の部屋から腕時計や現金等が盗まれるという窃盗事件が発生している。
イ 8月初旬平日夜間,ホーチミン市ビンロック工業団地内において,ベトナム人男性が刃物でベトナム人カップルを脅し,現金を強取するという強盗事件が発生している。
ウ 8月下旬平日深夜,ホーチミン市ビンチャイン県において,ベトナム人女性がバイクを駐車して携帯電話で話していると,ベトナム人男性が刃物でベトナム人女性の胸を刺し,バイクを奪って逃走するという強盗事件が発生している。
エ 9月下旬平日深夜,ホーチミン市ホックモン県において,ベトナム人女性に刃物を突きつけ人気のない場所まで連れて行き,女性を強姦し金銭を強取するという,強盗強姦事件が発生している。

 

3 テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は認知していない。

 

4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人に対する事件の発生は認知していない。

 

5 日本企業の安全に係わる諸問題
日本企業に対するストライキ等の問題については把握されていない。