平成28年1月13日
在ホーチミン日本国総領事館
1 社会・治安情勢
公安当局によれば,2014年5月中旬に発生した反中デモ以降,ホーチミン市内及び周辺省・都市においてはデモ等の発生は確認されておらず,現在のところ当地の治安情勢に特段大きな問題はない。
ホーチミン市公安本部報道官によれば,現在の複雑な状況の下,同市でテロが発生する可能性を排除しないと明言しており,今後,より一層のテロ対策や犯罪取締まりの強化が予想される
しかし,今後の国際情勢如何によっては,反中デモやテロ等が発生する可能性は否定できないことから,デモ等に遭遇した場合には,速やかにその場から離れ,無用のトラブルに巻き込まれないよう注意を要する。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)以下の統計はホーチミン市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」2015年12月から抜粋したもの。刑法犯及び麻薬犯罪はやや減少した。
【刑法犯関係】(平成26年11月16日~平成27年11月15日実績)
ア 刑法犯発生件数:6071件(昨年同期比-4.8%)
イ 刑法犯検挙件数:4055件(検挙率66.8%)
【麻薬犯罪等】(平成26年11月16日~平成27年11月15日実績)
ア 麻薬犯罪検挙件数:1552件(昨年同期比-7.1%)
イ 麻薬犯罪検挙人員:3296人
ウ 売春宿摘発数:29件
エ 売春斡旋等検挙人員:127人
オ 賭博犯罪検挙件数:300件
カ 賭博犯罪検挙人員:1875人
(2)邦人被害事案
ア 10月初旬の平日深夜,ホーチミン市1区において泥酔し路上で寝ていたところ,パスポート等貴重品が入ったカバンを盗まれていた。
イ 10月下旬の平日朝,工業団地内の会社に出勤し,貴重品の入ったカバンを机上に置いたまま現場視察にでかけたところ,2時間後に戻ってくるとカバンが盗まれていた。
ウ 11月中旬の休日深夜,友人と二人でレストラン前のメニューを見ていたところ,歩道を走ってきたバイクに乗車した,2人組の男にトートバッグをひったくられた。
(3)邦人以外の被害事案
ア 10月初旬の夜,ホーチミン市タンビン区において,ベトナム人男性がバイクに二人乗りで道路を走行中,バイクに乗ったベトナム人2名に追いかけられ,拳銃で足を撃たれるという,拳銃による傷害事件が発生している。
イ 11月中旬深夜,ホーチミン市2区においてデンマーク人が運転するバイクとベトナム人男性が運転する車が接触事故を起こし,デンマーク人のバイクが転倒したが,車はそのまま逃走した。デンマーク人男性は病院に運ばれたが死亡した。後日,車を運転していたベトナム人男性が自首するというひき逃げ事件が発生している。
ウ 11月下旬平日未明,ホーチミン市11区において,ベトナム人女性がバイクで路上を走行中,バイクに乗車した二人組の男に,肩に掛けていたバッグをひったくられた際に転倒し,病院に運ばれたが死亡するという,強盗殺人事件が発生している。
エ 12月初旬,ホーチミン市1区のバックパッカー街からタクシーに乗車したイギリス人男性が,目的地までの道がわからないという運転手にIphone6を手渡し地図を見せ目的地に到着したところ,運転手はIphone6を返却せず逃走するという窃盗事件が発生している。
3 テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は認知していない。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人に対する事件の発生は認知していない。
5 日本企業の安全に係わる諸問題
日本企業に対するストライキ等の問題については把握されていない。
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