海外安全対策情報(ベトナム南部) (令和2年度第3四半期)

令和3年1月6日

海外安全対策情報(ベトナム南部) (令和2年度第3四半期)

海外安全対策情報(ベトナム南部)
(令和2年度第3四半期(令和2年10月~令和2年12月))
 
令和3年1月6日
在ホーチミン日本国総領事館
1 社会・治安情勢
 (1) デモ情勢
  現在のところ,デモに関する情報には接していないものの,過去には,2014年5月に反中デモ,2016年5月に魚大量死関連デモ,2018年6月にはホーチミン市内,ロンアン省工業団地内,カインホア省ニャチャン等全国各地で経済特区法案に関する大規模デモが発生したことがある。中でもビントゥアン省においては,デモ隊の一部が暴徒化し,放火や破壊行為を行い,機動隊と衝突する事態にもなった。
  万が一,デモ等に遭遇した場合は,絶対に近づかず,速やかにその場を離れるようにする必要がある。
(2) テロ情勢
  当地においては,イスラム過激派等の国際テロの発生は認められていないものの,世界各国は依然として厳しい状況にある。
  また,当地では近年,反政府組織によるテロの発生が認められており,2017年4月にタンソンニャット国際空港における爆弾テロ事件,2018年6月にホーチミン市タンビン区の公安(警察署に相当)における爆弾テロ事件,2019年9月には,ビンズオン省税務署内における爆弾テロ事件が発生している。一連の反政府組織によるテロには,引き続き警戒が必要である。
  テロの被害に遭わないように,状況に応じて,公安施設や人が集中する場所を避ける等の配慮が必要である。
(3) 一般犯罪情勢
  犯罪の発生件数等は「2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向」のとおり。なお,邦人の被害に関して当館が認知した件数は,2019年中は110件,2020年中は46件であった。2020年の件数減少は,新型コロナウイルスの影響によって邦人の観光客数が減ったことが原因と思料されるが,それをもって,当地治安が良くなったと評価することはできない。実際に,ひったくりを中心とする邦人被害の犯罪は依然として発生しており,特に,バイク乗りの犯人にスマートフォンをひったくられる事案が目立っている。
  これらの犯罪情勢については,当館ホームページ,外務省・海外安全情報,旅行ガイドブックやウェブサイト等各種媒体を通じて最新情報を入手するとともに,貴重品管理には十分注意する必要がある。
(4)その他
  ア サッカーの試合動向によって,若者を中心としたバイクの暴走行為等が発生する恐れがあり注意を要する。2018年12月にハノイで開催されたサッカースズキカップ決勝でベトナム代表が10年ぶりに優勝した際には,ホーチミン市を始め各地で若者を中心としたバイクの暴走行為により交通マヒが発生した。
  イ 新型コロナウイルスに関して,情勢に応じた様々な規制がなされている事から,常に最新情報を入手し,適切な行動を取る必要がある。
   
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向  
(1)以下の統計はホーチミン市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」から抜粋
【刑法犯関係】(2020年中の実績)
  ア 刑法犯認知件数:4409件(昨年同期比-0.3%)
  イ 刑法犯検挙件数:3220件(検挙率73.3%)
  ウ 刑法犯検挙人員:5119人
【麻薬犯罪等】(2020年中の実績)
    ア 麻薬犯罪検挙件数:1795件
    イ 麻薬犯罪検挙人員:4988人
【交通事故】(2020年中の実績)
  ア 交通事故件数:2926件(前年同期比-14.1%)
  イ 交通事故死亡者数:560人
  ウ 交通事故負傷者数:2039人
(2)邦人被害事案 
  今期における当館認知件数は合計3件で,手口は3件ともひったくりであった。
  なお,2020年中の累計被害認知件数は46件となった。
      ア 今期(10月から12月まで)の被害状況
         ・10月の被害状況:ひったくり1件
         ・11月の被害状況:ひったくり1件
   ・12月の被害状況:0件
     イ 8月の被害で当館認知が今期のもの:ひったくり1件
     ウ 被害実例
   ・夜間に飲食店から出て,路上でスマートフォンを操作していたところ,バイク乗りの犯人に同スマートフォンをひったくられたもの
   ・昼間に飲食店街を歩いていたところ,バイク乗りの犯人にズボンの後ろポケットに入れていた現金等在中の財布をひったくられたもの
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
  テロ・爆弾事件の発生は認知していない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
  誘拐・脅迫事件の発生は認知していない。
 
5 日本企業の安全に係わる諸問題
   日本企業の安全に係わる諸問題は認知していない。