海外安全対策情報(ベトナム南部) (令和2年度第4四半期)

令和3年4月1日

海外安全対策情報(ベトナム南部) (令和2年度第4四半期)

海外安全対策情報(ベトナム南部)
(令和2年度第4四半期(令和3年1月~令和3年3月))
 
令和3年4月1日
在ホーチミン日本国総領事館
1 社会・治安情勢
(1) デモ情勢
    現在のところ,デモに関する情報には接していないものの,過去には,2014年5月に反中デモ,2016年5月に魚大量死関連デモ,2018年6月にはホーチミン市内,ロンアン省工業団地内,カインホア省ニャチャン等全国各地で経済特区法案に関する大規模デモが発生している。中でもビントゥアン省においては,デモ隊の一部が暴徒化し,放火や破壊行為を行い,機動隊と衝突する事態にもなった。
   万が一,デモに遭遇した場合は,絶対に近づかず,速やかにその場を離れるようにする必要がある。
(2) テロ情勢
   当地においては,イスラム過激派等の国際テロの発生は認められていないものの,近隣のアジア諸国を含む世界各国では,国際テロの脅威は依然として高い状況にある。
   当地では近年,反政府組織によるテロの発生が認められており,2017年4月にタンソンニャット国際空港における爆弾テロ事件,2018年6月にホーチミン市タンビン区の公安(警察署に相当)における爆弾テロ事件,2019年9月には,ビンズオン省税務署内における爆弾テロ事件が発生している。これら一連の反政府組織によるテロ活動には,引き続きの警戒が必要である。
   テロの被害に遭わないように,状況に応じて,公安施設や人が集中する場所を避ける等の配慮が必要である。
(3) 一般犯罪情勢
   ホーチミン市における犯罪発生状況は「2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向」のとおりであるが,前年比で犯罪被害件数は増加しており,また,麻薬犯罪は依然として高い水準での検挙数となっている。
   邦人の被害に関しては,今期(令和3年1月から3月)当館が認知したのは6件で,前期と同様,ひったくり被害が最も多くなっているが,邦人宅に賊が侵入し金品を強奪するといった住宅侵入強盗事件の被害も発生した。
   これらの犯罪情勢については,当館ホームページ,外務省・海外安全情報,旅行ガイドブックやウェブサイト等各種媒体を通じて最新情報を入手するとともに,貴重品管理には十分注意する必要がある。
(4)その他
  ア サッカーの試合動向によって,若者を中心としたバイクの暴走行為等が発生する恐れがあり注意を要する。2018年12月にハノイで開催されたサッカースズキカップ決勝でベトナム代表が10年ぶりに優勝した際には,ホーチミン市を始め各地で若者を中心としたバイクの暴走行為により交通マヒが発生した。
  イ 新型コロナウイルスに関して,情勢に応じた様々な規制がなされている事から,常に最新情報を入手し,適切な行動を取る必要がある。
   
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向  
(1)ホーチミン市内(同市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」から抜粋)
【刑法犯関係】(2021年3ヶ月間の実績)
  ア 刑法犯認知件数:1078件(昨年同期比+17.3%)
  イ 刑法犯検挙件数:753件(検挙率69.9%)
  ウ 刑法犯検挙人員:1148人
【麻薬犯罪等】(2021年3ヶ月間の実績)
    ア 麻薬犯罪検挙件数:431件
    イ 麻薬犯罪検挙人員:840人
【交通事故】(2021年3ヶ月間の実績)
  ア 交通事故件数:435件(前年同期比-28.1%)
  イ 交通事故死亡者数:136人
  ウ 交通事故負傷者数:303人
(2)邦人被害(当館に報告があり認知したもの) 
   今期における当館認知件数は合計6件で,手口はひったくり4件,スリ1件,住宅侵入強盗1件であった。(参考:昨年1年間での邦人被害認知件数は46件)
   ひったくりは,歩道を走ってきたバイク乗りの犯人に,スマートフォン(特にiPhone)をひったくられる事案が目立っており,被害場所は,これまで1区が多かったが,今期はトゥードゥック市(旧2区)タオディエン地区での被害発生が複数認められている。
   また,住宅侵入強盗については,邦人女性が1人で在宅していた日中の時間帯に,エアコンの修理を装って室内に入ってきたベトナム人男性に,突然,刃物で脅されるなどして,金品を奪い取られるといった凶悪な事件であった。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
  テロ・爆弾事件の発生は認知していない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
  誘拐・脅迫事件の発生は認知していない。
 
5 日本企業の安全に係わる諸問題
   日本企業の安全に係わる諸問題は認知していない。