ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(ホーチミン市における社会隔離措置の緩和)

令和3年10月2日
 ホーチミン市人民委員会は、9月30日付指示「ホーチミン市におけるCOVID-19感染防止対策の継続的管理と調整及び経済社会の順次回復と発展」(第18/CT-UBND号)をファン・ヴァン・マイ市人民委員長名で発出したところ、以下のとおりです(一部省略)。
 
 これまでの間、ホーチミン市は、各種関連規程(省略)に従い、COVID-19防止対策(省略)を効果的に実施し、極めて重要な多くの成果を達成した。医療システムは強化され、入院数、重症化数及び死亡数は連続して低下している。18歳以上の市民への1回目のワクチン摂取率は95%を超え、2回の接種完了も45%を超えた。7区、カンゾー郡及びクチ郡では、安全を確保しつつ一部の経済社会活動を試験的に再開させた。感染防止対策に対する市民及び企業の意識も向上した。社会安生(社会保障)、食糧・食品の供給も確保されている。
 
 しかし、市内の感染状況は引き続き複雑であり、新規感染数、自宅若しくは医療機関での治療者数、死亡率はいまだ高いままである。また、南部の重要経済地域における各省のワクチン接種率もいまだ低く、当市の2回目のワクチン接種率も未だ高くない。市の経済再生に必要な政策や決定は、地域全体に適した形で慎重に検討されなければならない。
 
 COVID-19防止対策で得られた成果を発揮し、現段階に適した形で市の経済社会を着実に再生、発展させ、政府議決第86/NQ-CP号と政府の「COVID-19への安全、柔軟な適用と効果的抑制」の方針の効果的且つ厳格な実施を継続するという目的のため、市人民委員長は、市内の各組織、個人に対し、引き続き感染防止対策措置の継続的な実施・調整、経済社会の段階的再生・発展を厳格に実施することを、以下の具体的内容とともに要求する。
 
 
I 目的・原則
1 目的
  • 市全域において引き続きCOVID-19を管理、防止する。市民の健康と生命を守ることを最優先とし、まず入院数と死亡数を最低レベルまで減少させ、保健システム、特に基礎医療を強化する。
  • 市の経済社会を安全、柔軟、効果的に一歩ずつ回復・発展させる。生産、サービス区域の各活動の開放に関心を持つ。市民の社会安生(社会保障)を確保する。
  • 市民の生活を「新常態(ニューノーマル)」にする。
 
2 原則
  • 感染防止対策及び経済社会の再生・発展に市民と企業の全てのリソースを動員し、主体的役割を発揮する。
  • 政府関連(省略)の指導を厳格に実施する。各省、委員会、中央機関、地方の連携を強化し、サプライチェーンと労働を再開する。
  • 感染防止対策に情報技術の活用を強化し、行政改革を促進し、市民と企業に有益な条件を作り出す。市民と企業に対して不要な行政手続きを発生させないようにする。
  • 市内各級指導者の責任と役割の発揮(省略)
  • 「安全第一」、「安全なところまで開放し、開放するなら安全でなければならない」といった方針にそって、着実、慎重、確実に実施する。適切な社会隔離措置の適用を検討するため、実施状況をよくフォローする。
 
II 各種実施措置
 2021年9月30日18時から、COVID-19感染防止措置を引き続き管理・調整し、市内の感染状況の推移に適したロードマップと保健省のガイドラインに沿った安全評価の結果に基づき、経済社会の着実な回復と発展を行う。
 
1 感染防止活動について
(1)医療活動
ア ワクチン接種業務
  • ワクチンの供給源を多様化し、保健省の基準に従いワクチン接種率を満たすためにあらゆるリソースを活用し、最も早いペースで全市民にワクチンを普及させることを目指す。
  • (感染対策の)最前線に動員される者、基礎疾患を有する者、50歳以上の者、妊娠中の女性、生産活動に従事する者に対する十分な接種を優先する。保健省のガイドラインと適当なワクチン供給源ができた際には子どもへのワクチン接種を実施する。
 
イ 検査及び感染レベルの確定
  • COVID-19感染防止国家指導委員会の検査戦略及び保健省のガイドラインを厳格に実施し、主体的に危険レベル3及び4の地域において感染源の発見・分離を行い、適切な対策措置を実施する。
  • 症状が疑われる全ての症例のスクリーニング検査、卸売市場、バス停、運送手段、病院、学校等の多くの人が集まりハイリスクな地域における監視のため、重点的な検査を行う。企業、組織及び市民に対し、保健当局の指導に従い定期的な迅速抗原検査を自発的に行うことを奨励する。
  • 行政単位が常にリスク評価を実施し、対策措置を執ること(省略)
 
ウ F0のコミュニティー単位のケアと管理
  • 生産・ビジネス・サービス分野及びニューノーマルの要求に沿った分野において、安全を確保し、活動を中断させない形で、コミュニティー内でF0を発見した際の管理及び処理規程を公布する。
  • 全ての各区郡及びトゥードゥック市が、移動式医療ステーションとコミュニティー内で感染者ケアチームを設立する計画を策定する。全ての診療所が医療用酸素を確保し、自宅隔離を行う感染者の適切な救急(搬送)を行うと同時に、各地域の迅速対応チームの役割を発揮させる。工業団地に移動式医療ステーションを設置する計画を策定する。
  • F0の自宅治療・ケア業務に、慈善団体、個人診療、薬剤師、かかりつけ医、退職した医療関係者といったあらゆるリソースを活用する。F0のケアと管理において、情報技術を強化し、東洋と西洋医学の双方を活用する。
 
エ 治療業務
  • 引き続き3層の治療モデルの効果を発揮させ、重症化を最小限に抑え、可能な限り死亡率を低いレベルに下げる。保健省の基準にそって積極的に十分な数の治療用ベッドを配置する。
  • 民間を含む病院システムの治療能力を高め、主体的に感染病の変化に対応する。感染症病院及び総合病院にCOVID科を設立するための検討を行う。
  • 警報システムの開発とCOVID-19治療能力のしきい値を定める。ニューノーマルにおいて病院がCOVID-19感染者の受け入れと治療を行いつつ、通常診療・治療を行うという本来の機能を取り戻すためのロードマップを策定する。
 
オ 医療システムの強化と再開
  • 受け入れ・治療システムを再構築し、公立以外(病院、診療所、薬局)のシステムを含むあらゆるリソースを動員する。
  • 市疾病管理センターから各地区単位の医療センター及び保健所に至るまで、医療人材と医療システムの質を強化する。
  • 人々の健康のケアと感染対策業務に携わるあらゆるリソースを引き出すための仕組みや政策を提案する。
 
(2) 科学技術の応用
ア COVID-19防止国家指導委員会及び市COVID-19防止指導委員会が展開する、感染情報、生産活動・ビジネス管理、交通運輸サービスに関する情報を提供するアプリを使用する。
 (省略)
イ 市内で活動が許可される全ての機関、単位、生産・ビジネス・サービス施設は、リンク(http://antoan-covid.tphcm.gov.vn/)からQRコードを登録するよう要求する。10月8日までに全ての従業員のQRコードをスキャンしなければならない。市のアプリ(またはPC-VOVIDアプリ)を使用し営業活動を管理する。
ウ 町内ごとに安全適応レベルの評価を行い、デジタルマップ上で常に更新を行う。
エ 行政機関はオンラインでの公共サービスの提供比率を高める。(省略)
オ 感染状況に関する正当で、十分で、正確な情報を提供するCOVID-19ポータルを構築する。感染対策指導に効果的に資するデジタルマップを開発し、市民に多くの利便をもたらす。(省略)
 
(3)社会保障の確保、社会秩序の安定化
ア 社会保障の確保
  • 9月22日付市人民評議会議決第97/NQ-HDND号に従い、正しい原則に則り、十分な対象に対し、取りこぼしなく、重複のない形で、市内で真に困窮する人々に対する第3回の支援を実施する。
  • COVID-19による独居老人や孤児に対する支援策の発出と社会の支援を呼びかける。
  • 政府の割り当てに従い、コメの配給支援を継続する。困窮者の生活の安定のため、社会の参加を促し、条件を整備する。
  • 労働力が不足しないよう、労働者が早期に生産活動・ビジネスに復帰するための支援、育成等適切な方策を実施する。
イ 国防、安寧、秩序、社会安全の確保
 (省略)
 
2 市民に対して
  • 常に警戒し、主体的、柔軟な精神を高く掲げ、家族や近しい人を助けて健康を守り・ケアし、安全に生活する。
  • 5K(マスク着用、距離を保つ、医療深刻を行う、消毒する、大人数で集合しない)を厳格に実施する。
  • 交通に参加する場合は、VNEIDアプリの移動申告QRコードと、Y tế HCM又はSổ sức khỏe điện tửアプリ(PC-COVIDアプリが正式に運用されるまで)のワクチン接種歴を表示するQRコードを使用する。QRコードがない場合、担当機関が要求する際は以下の書類を提示する。(1)6か月以内にCOVID-19に罹患して回復したことを証明する書類、(2)コロナワクチンの接種証明書(2回接種するワクチンであれば最低1回及び接種から最低14日経過していること)。省市を跨いで移動する場合、本指示のII3の規程に従わなければならない。
  • 症状(咳、発熱、呼吸困難等)がある場合又は救急医療が必要な場合、地域の迅速対応チームのホットラインの番号又は救急(115)に速やかに連絡する。食料、食品について緊急の支援を必要とする場合、地域の社会安生(社会保障)チーム又は1022の代表番号に連絡するか、市祖国戦線の社会保障アプリ上で登録する。
  • 外国人が市に入域する際には、国境ゲートで医療申告を行い、その後の市内での活動にはQRコードまたは代わりとなる書類を使用する。
 
3 交通運輸活動、交通管制
  • ホーチミン市と他の省との間の商品の円滑な流通を確保し、市民の生活に貢献し、生産、ビジネス、輸出入等の活動に対応する。
  • 市内の道路及び水路における旅客運送は、交通運輸局のガイダンスに従い、各地域、地区の感染レベルに適した形で実施しなければならない。自家用車は市内のみ通行が許可される。
  • 省市をまたぐ旅客運送(道路、水路、鉄道、航空)は、交通運輸省の計画及び保健省の規程に従ったルートに従い実施される。
  • 優先対象(公務、工員、専門家、患者)の省市を跨いだ移動、労働者の市内への通勤、その他必要な場合は、交通運輸省のガイドラインに従う。
  • アプリを通じたバイク配達員(シッパー)による商品の輸送は、商工局のガイドラインに従って実施される。
  • 各省境における検問所での移動の監視を強化する。この検問所では、引き続きQRコード及び各業種の識別方法により車両を検査する。現場の状況に応じた交通管制を強化し、密集や渋滞を引き起こさないようにする。
 
 
4 実施体制
 省略(本指示を実施するために市内各関連機関に対する細則等の策定指示)
(3)(一つ目の✓)
 市内においてCOVID-19防止対策のため、一地点の封鎖や隔離を行う際には、各世帯単位までの最小単位・範囲で行うとの原則に従い、隔離の範囲と規模を確定する。感染拡大の予防、検査、治療、ワクチン接種などの対策を同時且つ効果的に実施し、市民が遠くからでも速やかに公立・私立の医療機関にアクセスできるようにする。

 
 
付属書1
各機関、単位、組織個人の活動
 
I 許可される活動
1 ホーチミン市所在の国家機関、政治組織、政治・社会組織、社会・職業組織、中央の機関:これら機関の長は、市人民委員会の規程に従い、COVID-19防止対策の安全評価基準を担保した上で、出勤する職員の数を決定する。
 
2 ホーチミン市に拠点を有する総領事館、国際機関、経済文化事務所は、組織の特性に適した形で、市人民委員会と保健省のCOVID-19対策措置の規程を担保しつつ、勤務方式を主体的に決定する。
 
3 診療・治療施設、医薬品、化粧品、消耗品、生物学的製剤、医療機材(公営、民間)は、COVID-19防止対策の安全評価基準を担保した上で活動できる。(別添付属書2の規程に従う)
 
4 生産、貿易、ビジネス及びサービスに関する活動は、各業種に応じたCOVID-19防止対策の安全評価基準を担保した上で活動できる。
 
5 宗教、信仰、礼拝施設の活動、リゾート、ホテル、ミニホテル、観光ツアー、文化・芸術講演、体操、スポーツ、葬儀、結婚式

 (1) 宗教、信仰、礼拝施設の活動は、最大10名まで。最低90%が十分なワクチン接種をしている、又は、コロナ感染から治癒している場合、最大60名までが集合可能。
 (2) リゾート、ホテル、ミニホテル、観光ツアーは、客が十分なワクチンを接種している、コロナ感染から治癒している、又は72時間以内の陰性証明を取得している場合、収容上限の最大50%までの活動が可能。
 (3) 文化・芸術講演、体操、スポーツ、競技会のイベントは、参加者の90%が十分なワクチン接種済み、コロナ感染から治癒している場合は、最大60名までの規模で開催することが可能。
 (4) 葬儀、結婚式
ア 屋内:最大10名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、又は、コロナ感染から治癒している場合は、60名までが参加可能。
イ 屋外:最大15名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、又は、コロナ感染から治癒している場合は、90名までが参加可能。
6 教育・訓練:引き続きインターネット環境でオンラインによる間接的な教育・学習を実施する。対面教育・学習を組み合わせられるよう、順次条件を強化する。十分な量のワクチン接種を済ませた人への教育方式については、規程に沿った安全基準を満たしていれば対面授業が実施できる。
 
7 屋内・屋外で集合する活動

 (1) 屋内(会議、研修、セミナーなど):最大10名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、コロナ感染から治癒している場合は、最大60名まで。
 (2) 屋外:最大15名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、コロナ感染から治癒している場合は、最大90名まで。
 
8 その他の場合は、管轄当局の許可がなければならない。
 
II 継続して一時的に停止される活動
1 ビジネス・サービス活動:バー、ビアホール、パブ、スパ、マッサージ、美容サービス、店内飲食、映画館、劇場、ディスコ、カラオケ、ビデオゲーム店
2 自発的市場、路上販売、路上宝くじ販売
3 付属書1~3の1で規程される許可された活動「以外の」活動
 
 
付属書2
活動可能な診療・治療施設、医薬品、化粧品、消耗品、生物学的製剤、医療機材(公立、民間)
 
グループ1:公立・民間の病院、総合診療施設、専門クリニック

 (1) 総合病院、専門病院
 (2) 軍・公安系診療所
 (3) 総合診療施設
 (4) 専門クリニック(検査室、画像診断室、レントゲン室、伝統医学治療院)
 (5) かかりつけ医
 (6) 助産院
 
グループ2:公立・民間の医療サービス施設

 (1) 注射、包帯交換、脈拍測定、体温測定、血圧測定のサービス施設
 (2) 在宅健康ケアサービス
 (3) 救急、国内・海外搬送支援サービス
 (4) 眼鏡
 (5) 歯科技工
 
グループ3:公立・民間の薬品、化粧品、消耗品、生物学的製剤、医療機材
 
 
付属書3
活動可能な生産、ビジネス、貿易、サービス
 
1 産業クラスター、工業団地、輸出加工区、ハイテクパーク、クアンチュン・ソフトウェアパークにある企業、生産施設、ビジネス、及び、市内各区郡及びトゥードゥック市域内の生産施設
2 農林水産業・塩業に関連する企業、家族経営、合作社、協同組合;農業生産支援サービス、獣医等
3 交通・建設工事
4 企業、サービス施設

 (1) 食糧・食品供給、薬品、ガソリン・油、電気、水道、燃料、修理、ゴミ収集・運送・廃棄物処理、郵便、通信、各種車両・民間用/工業用設備・機械の販売・修理・保守、投資活動、不動産ビジネス、ビル/アパート設備・施設・インフラシステムの管理・運営・保守・修繕・救助サービス
 (2) 公共サービス:セキュリティ、道路料金所、建設コンサル、環境衛生、環境モニタリング・処理、職業斡旋、洗車、各種公共サービス(上下水道、公園管理、植栽、技術インフラ、交通運輸)
 (3) 郵便、通信、新聞社、出版社、印刷会社、カレンダー、EC、配送アプリ、書店、事務用品、ブックストリート、図書館、ギャラリー、美術展、写真、学習用品、情報技術、情報機器(PC)、電機屋、眼鏡、アパレル、縫製、アクセサリー・宝飾
 (4) 倉庫、集荷、商品積み替え、運送支援サービス、輸出入
5 デパート、スーパー、小規模商店、コンビニエンスストア、雑貨店、卸売市場、伝統市場、飲食店(テイクアウトのみ。宿泊施設内のレストランについては、宿泊客へのサービスのみ。ビュッフェは不可)
6 散髪、洗髪、スポーツ施設(ジム、ヨガ等)は、最大50%の容量で、最大で同時に10名まで。
7 市内の外国駐在員事務所、外国企業の支店
8 信用機関、外国銀行支店、公庫、信用事業に直接関連するサービス、ロジスティクス、市民と企業のためのサービス(公証、弁護士、競売、鑑定、監査、金融サービス、保険、外貨両替、裁判事務、商事仲裁、商事調停、法律コンサル、企業サポートのためのその他コンサル、司法鑑定、財産管理・精算、登録、担保取引登録、土地登記、証券、質
9 見本市、展示会、会議、商談等貿易促進に関する活動

 (1) 屋内:最大10名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、コロナ感染から治癒している場合は、最大60名まで。
 (2) 屋外:最大15名まで。参加者の最低90%が十分なワクチン接種済み、コロナ感染から治癒している場合は、最大90名まで。