​令和3年度外務大臣表彰の授賞式の開催

令和3年12月3日
心からお慶び申し上げます1
グエンデゥックさん1
12月2日、在ホーチミン日本国総領事館において、グエン・ドゥック氏(特定非営利活動法人「美しい世界のために」代表)に対する令和3年度外務大臣表彰の表彰式を開催しました。

1 ドクちゃん・ドクさんの愛称で日本人の間では最も有名なベトナム人の一人として知られているグエン・ドゥック氏は、結合双生児として誕生され、1988年に兄であるベトさんとの分離手術の際にベトナム人医療チームと共に日本人医師がサポートし無事手術が成功したことが日本でも大きく取り上げられました。その後もお二人の成長振りや、成人になられいろいろな活動を行われてきたドゥックさんは日本においても広く知られてきました。2017年3月の現上皇上皇后陛下(当時は天皇皇后両陛下)のベトナム御訪問の折りには、レセプションにおいて両陛下とも懇談される機会があり、日本のメディアにも大きく取り上げられました。

2 今回の受賞理由は、日本とベトナムの相互理解及び友好親善の促進に貢献されたご功績によるものです。ドゥックさんは幼い頃に日本人医師のサポートを得たというきっかけをずっと大事にしてこられ、一貫して日本に対する特別な想いを持ち続けてこられたこと、そしてそのような想いを基礎に日本とベトナムの関係のために尽くしたいという気持ちで様々な活動に取り組んでこられました。例えば2009年以降、長年に亘りホーチミン市を訪れる日本人観光客や学生等に対し、直接ご自身の経験を踏まえた平和の重要性や、尊さを熱心に語り続けて来られました。ドゥックさんご自身は、様々なお立場で、一貫して平和の尊さを多くの人々に伝えてこられました。このような取り組みを通じ、日本国民のベトナム理解を促進し、日ベトナム間の相互理解の増進に大きく貢献いただきました。

3 また、ドゥックさんの日本訪問歴は50回近くにも及びます。2011年の東日本大震災発生後には、被災地の障害者支援施設等において被災者を励ます取り組みや、新型コロナウイルス感染症が拡大していた2020年には、ドゥック氏の活動を12年に亘りサポートしてこられた日系企業を通じ、我が国に対してマスクを寄贈されました。このように日本が困難な状況にあった時にも、いつも日本に寄り添い、継続して友好親善の促進に貢献されてきました。

4 表彰式において、ドゥックさんは、これまでのご自身の活動は自ら努力し継続してきたが、その過程でホーチミン市越日友好協会、友人、日本企業が常に支援してくれたことに言及されました。また、ドゥックさんは、これまでに10回以上の手術を実施してきたため健康に留意する必要もあるが、引き続き日本とベトナムの架け橋となれるよう努力したい、2023年の日越友好関係50周年に向けて関係者の皆さんと共に両国の友好関係の促進のために貢献していきたい旨述べました。

5 在ホーチミン日本国総領事館は、ドゥックさんが今後もお体を大事にされ、これまでのご経験を活かし、引き続き両国の相互理解の増進にご協力いただけること祈念しています。この度の受賞を心からお慶び申し上げます。