海外安全対策情報(令和5年度第3四半期)

令和6年1月5日
海外安全対策情報(ベトナム南部)
(令和5年度第3四半期(令和5年10月~令和5年12月))
 
令和6年1月5日
在ホーチミン日本国総領事館
1 社会・治安情勢
(1)デモ情勢
  現在のところ、デモに関する特段の情報には接していないものの、過去には、2014年5月に反中デモ、2016年5月に魚大量死関連デモ、2018年6月にはホーチミン市内、ロンアン省工業団地内、カインホア省ニャチャン等全国各地で経済特区法案に関する大規模デモが発生している。中でもビントゥアン省においては、デモ隊の一部が暴徒化し、放火や破壊行為を行い、機動隊と衝突する事態にもなった。
  万が一、デモに遭遇した場合は、絶対に近づかず、速やかにその場を離れるようにする必要がある。
(2)テロ情勢
  当地においては、イスラム過激派等の国際テロの発生は認められていないものの、近隣のアジア諸国を含む世界各国では、その脅威は依然として高い状況にある。
  一方で、当地では近年、反政府組織によるテロの発生が認められており、2017年4月にタンソンニャット国際空港における爆弾テロ事件、2018年6月にホーチミン市タンビン区の公安(警察署に相当)における爆弾テロ事件、2019年9月にはビンズオン省税務署内における爆弾テロ事件、そして、記憶に新しいものでは、本年6月にベトナム中南部ダクラク省における人民委員会への連続襲撃事件が発生している。これら一連の反政府組織によるテロ活動には、引き続きの警戒が必要である。
  テロの被害に遭わないように、状況に応じて、公共施設や人が集中する場所を避ける等の注意が必要である。
(3)一般犯罪情勢
  ホーチミン市における犯罪発生状況は「2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向」のとおりである。日本人の被害に関しては、今期当館が認知した件数は20件であった。
  日本及びベトナムの水際対策の緩和に伴い、邦人の出張者や旅行者の渡航者数の増加に比例して、邦人の犯罪被害件数も増加傾向にある。
  また、一般的に当地の治安状況は落ち着いていると言えるが、経済発展による貧富の差の拡大や麻薬の蔓延などを踏まえると、治安悪化の要素は増してきていると言える。
  これらの犯罪情勢については、当館ホームページ、外務省・海外安全情報、旅行ガイドブック等を通じて最新情報を入手するとともに、十分な安全対策を講じる必要がある。
   
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向  
(1)ホーチミン市内(同市統計局発行の「ホーチミン市社会経済状況」から抜粋)
【刑法犯関係】(2023年中)
  ア 刑法犯認知件数:6,482件(前年比1.2%増)
  イ 刑法犯検挙件数:3,800件(検挙率58.6%)
  ウ 刑法犯検挙人員:6,163人
【麻薬犯罪】(2023年中)
    ア 麻薬犯罪検挙件数:2,249件
    イ 麻薬犯罪検挙人員:4,932人
  (ヘロイン944kg、薬物様物質152kg、薬物前駆体88.8kgを押収)
【交通事故】(2023年中)
  ア 交通事故件数:1,728件(前年比19%減)
  イ 交通事故死亡者数:660人
  ウ 交通事故負傷者数:1,049人
【火災件数】(2023年中)
   ア 火災発生件数:483件(前年比22.4%減)
   イ 火災死亡者数:11人(前年比18.2%増)
   ウ 火災負傷者数:12人(前年比14.3%減)
(2)日本人の被害(当館に報告があり認知したもの)
  今期当館が認知した件数は20件であった。
主な被害内容は、邦人観光客のタクシー乗車に絡む被害が急増し、現金等を窃取される被害が目立った。
 〈具体的な事例〉
  • タンソンニャット国際空港から市内行きのタクシーに乗車し、精算のために財布を取り出したところ、運転手から紙幣を数えてあげる若しくは、高額紙幣を両替してあげると言われ、精算金額以上の現金をスリ盗られた。
   当地タンソンニャット国際空港へ到着後は、「空港ターミナルを出て左前方約50メートルに位置するタクシースタンド」の利用を推奨する。
  具体的な犯罪の手口と防犯のための注意事項については、当館ホームページに掲載されている「安全の手引き」や「注意喚起」等も参考にされたい。
https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00219.html 
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
  テロ・爆弾事件の発生は認知していない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
  誘拐・脅迫事件の発生は認知していない。
 
5 日本企業の安全に係わる諸問題
    日本企業の安全に係わる諸問題は認知していない。